鉄骨のハウスメーカーの選び方|軽量・重量鉄骨の違いと坪単価・耐震を比較

鉄骨のハウスメーカーで後悔しない選び方|軽量・重量鉄骨の違いと坪単価・耐震を比較 のアイキャッチ

鉄骨のハウスメーカー(柱や梁に鋼材を使う家を手がける住宅会社)選びは、会社名ではなく建てたい階数から入ってください。

階数が決まれば鉄骨の種類が決まり、候補は自然に絞れます。この記事は、その絞り込みに必要な構造と保証だけを同じ項目で並べました。

鉄骨造は、持家の着工数では少数派です。令和7年度に着工した持家195,111戸のうち、鉄骨造は18,430戸、およそ9.4%にとどまります

木造は174,861戸ですから、着工数の差はおよそ9.5倍です。

出典:国土交通省「建築着工統計調査報告 時系列一覧」

数が少ないぶん、鉄骨を扱う会社の情報はまとまった形で出てきません。

だからこそ、7社の公式サイトを1社ずつ読み比べる手間がかかります。その手間をこの記事で肩代わりし、同じ物差しに載せました。

この記事でわかること
  • 鉄骨の注文住宅を手がける大手7社が、それぞれどんな構造と保証を公表しているか
  • 軽量鉄骨と重量鉄骨の違いと、建てたい階数からどちらを選ぶか
  • 鉄骨造と木造で判断が分かれるのはどの条件か
  • 7社のうち3社が決算資料で公表している坪単価と、国の統計で見た鉄骨造の相場
  • 契約前に見積書と保証書で確認しておく4つのこと
【結論】鉄骨で建てるなら、気になる会社を一括資料請求で比較
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当てはまる条件を開くと、その条件に合う会社の解説へ移動できます。振り分けには公式サイトに書かれた構造の名称と保証の年数だけを使い、点数付けや順位付けは使っていません。
重量鉄骨を使う構造を公表している会社を見る(4社)

分け方:公式サイトが「重鉄」「重量鉄骨」の名称で案内する構造を持つ会社です。

旭化成ホームズ(ヘーベルハウス) 積水ハウス 大和ハウス工業 パナソニック ホームズ
軽量鉄骨を使う構造を公表している会社を見る(3社)

分け方:公式サイトに「軽量鉄骨」の商品または構造がある会社を入れました。

サンヨーホームズ 積水ハウス 大和ハウス工業
工場でつくったユニットを組み立てる会社を見る(2社)

分け方:自社の工法を「ユニット工法」と呼んでいるかどうかで見ます。

積水化学工業(セキスイハイム) トヨタホーム
保証を60年まで延ばせると公表している会社を見る(4社)

分け方:保証の最長を60年と明示している会社に限りました。

旭化成ホームズ(ヘーベルハウス) 大和ハウス工業 トヨタホーム パナソニック ホームズ

プレハブ建築協会の正会員30社のうち、戸建ての注文住宅で鉄骨造の商品を公式サイトに掲載している7社を扱います。情報は2026年8月25日時点の公表内容です。並び順は会社名の五十音順です。

目次

鉄骨のハウスメーカー7社の構造と保証を一覧で比べる

  • 母集団:プレハブ建築協会の正会員30社(令和8年8月18日現在)
  • 掲載:7社
  • 除外:23社(戸建ての注文住宅で鉄骨造の商品を公式サイトに掲載していないため)
  • 情報の基準日:2026年8月25日(各社の公式サイトで確認)

比較の項目は、読者が実際に迷った点から決めました。運営チームが注文住宅を建てた305人に聞いた調査が土台です。

重視した点の上位は「住宅性能の高さ」80件と「価格・坪単価の安さ」79件でした。

3番目が「営業担当者の対応・信頼感」77件で、上位3つは僅差です。

このうち各社の商品ページで横並びに比べられるのは、構造と保証の2つだけでした。

坪単価は商品ページにありませんが、決算資料と国の統計でなら示せます。坪単価は専用の章にまとめました。

集計結果の全項目は、この記事の中で該当する場面ごとに紹介します。

この表を左から右へ読むと、鉄骨の種類の違いと保証年数の開きが一度に見えます。

会社名鉄骨のタイプ主な構造の名称構造・防水の初期保証保証の最長年数
旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)重量鉄骨重鉄制震・デュアルテックラーメン構造/ハイパワード制震ALC構造/重鉄・システムラーメン構造30年60年
サンヨーホームズ軽量鉄骨角パイプ柱+鋼製耐力パネルの筋かい公式サイトで非公表公式サイトで非公表
積水化学工業(セキスイハイム)鉄骨(ユニット)ユニット工法/ボックスラーメン構造最長30年30年
積水ハウス軽量鉄骨と重量鉄骨鉄骨1・2階建て/鉄骨3・4階建て30年建物がある限り延長できる
大和ハウス工業軽量鉄骨と重量鉄骨持続型耐震/skye3はΣ形制震パネル30年60年
トヨタホーム鉄骨(ユニット)鉄骨ラーメン構造「パワースケルトン」40年60年
パナソニック ホームズ鉄骨軸組と重量鉄骨制震鉄骨軸組構造(HS構法)/重量鉄骨ラーメン構造(NS構法)/大型パネル構造(F構法)35年(沖縄は20年)60年

※横にスクロールすると全ての項目を見られます。坪単価は専用の章にまとめました。

「初期保証」と「保証最長」は何が違うのか(4点で見る)
  • 仕組み:初期保証は契約すれば無条件で付く年数です。
  • 保証最長は、点検や有償補修を続けた場合に届く年数の上限を指します。
  • 対比:年数を公表する6社の初期保証は30〜40年で、差は小さめです(サンヨーホームズは非公表)。
  • 保証最長は30年から上限なしまで、会社ごとの差が大きくなります。
  • 便益:延長条件を満たせば、初期保証より長く保証を受けられます。
  • 点検や補修の記録は、住まいの維持管理にも役立ちます。
  • 限界:保証最長には、点検や有償補修という条件が付きます。
  • 条件を1つでも外すと、そこで保証は延長されません。
  • 契約前に、年数だけでなく延長条件と費用を書面で確認してください。

鉄骨のハウスメーカー7社の構造と保証

旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)|重量鉄骨の骨組みで、都市部の限られた敷地に強さを求める人に向く

狭い敷地で3階建てや大空間を狙うなら、まず候補に入る会社です。7社で唯一、構造ページの見出しに「重鉄躯体(重量鉄骨の骨組みの意味)」を掲げています。

骨格に据えるのは重量鉄骨(重鉄)で、柱と梁の接合部を固めたラーメン構造(柱と梁を固く接合する骨組み)が基本です。

ヘーベルハウスの骨格となるのは、揺るぎない強さを誇る鉄骨部材。さらに高強度で制振性能にも優れた構造で、自由な空間を叶えながら大地震の揺れから暮らしを守ります。

引用元:旭化成ホームズ「構造・重鉄躯体」

構造は3種類です。重鉄制震・デュアルテックラーメン構造、ハイパワード制震ALC構造、重鉄・システムラーメン構造の3つが並びます。

どれも柱と梁の接合部を固め、そこへ制震フレームや制震部材を足して揺れを抑えます。

3つの構造は何が違うのか(4点で見る)
  • 仕組み:重鉄制震・デュアルテックラーメン構造は、骨組みに制震フレームを足した型です。
  • 重鉄・システムラーメン構造は、骨組みだけで揺れに耐える型です。
  • ハイパワード制震ALC構造は、同じ骨組みにALC(気泡を含ませて軽くしたコンクリート)の外壁を組み合わせます。
  • 対比:「制震」を名乗る2つは骨組みに制震部材を追加します。
  • システムラーメン構造だけは、部材を追加せず骨組みだけで受け止めます。
  • 便益:制震フレームを足した2つは、大地震のあとの補修負担を抑えやすくなります。
  • 限界:制震フレームや厚い外壁材を足す分、建築費は上がりやすくなります。
  • 3種のうちどれが使われるかは、公式サイトに説明がなく確認できていません。
  • 契約前に担当者へ確認してください。
旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)の構造を示した図。重量鉄骨の柱と梁を接合したラーメン構造に斜めの制震フレームを入れ、外壁はALCコンクリートのパネルを積む形

骨組みで受けて、部材で逃がす二段構えと考えると分かりやすいでしょう。

外壁はALCコンクリート「ヘーベル」を使い、躯体の耐用年数は60年以上です。ただし躯体の目安であって、保証の年数とは別物です。

この7社では、保証の年数だけでなく延長の条件まで公表している会社が6社あります。

ヘーベルハウスはその中でも、対象になる契約日まで数字で示しました。

2017年10月以降の請負契約で、所定の定期点検を受けることが60年保証の条件です。

これから契約する人には効きますが、条件を1つでも外すと60年には届きません。年数だけを見て決めないでください。

出所:旭化成ホームズ「長期保証とサービス」

旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)の基本情報

鉄骨のタイプ重量鉄骨(公式サイトでは「重鉄躯体」と表記)
主な構造の名称重鉄制震・デュアルテックラーメン構造/ハイパワード制震ALC構造/重鉄・システムラーメン構造
構造・防水の初期保証30年(構造耐力上主要な部分および雨水の浸入を防止する部分)
保証の最長年数60年
保証・点検の条件として公式が示していること2017年10月以降の請負契約であること。所定の定期点検を受けること。30年目以降は定期点検と指定の有償補修を行うことで保証を継続
本社の所在地東京都千代田区
公式サイトヘーベルハウス(旭化成ホームズ)
この会社を検討するときの注意点

ALCコンクリートは、内部に細かい気泡を含ませたコンクリートです。

この外壁材に外壁塗装とシート防水を組み合わせ、防水保証を成り立たせています。

躯体の耐用年数60年以上は、保証の年数とは別の指標です。混同しないでください。

2階建てで庭を広く取りたい、価格を最優先したいという条件なら、軽量鉄骨や木造の会社も見てください。

サンヨーホームズ|軽量鉄骨と厚いALC外壁で、災害への備えを重視して2〜3階建てを建てたい人に向く

災害への備えを軸に2〜3階建てを建てたい人に向く会社です。軽量鉄骨造で2〜3階建てを手がけ、水害対策の商品まで用意しています。

ただし7社のうち、保証の年数を公式サイトに出していないのはこの会社だけです。比較表の保証欄が2つとも空くのは、ここだけの事情です。

サンヨーホームズ伝統の錆びない緑の鉄骨構造に、先進の技術を加え、さらに進化させた耐用年数100年以上の構造躯体。

引用元:サンヨーホームズ「耐火住宅 Urban」

構造体は左右対称の角パイプ柱と大型の梁で組み、そこへ鋼製の耐力パネルを交差させた筋かい(ブレース)が入ります。

サンヨーホームズの構造を示した図。角パイプの柱と梁に鋼製の耐力パネルを交差させ、厚さ50mmのALC外壁を組み合わせる形

外壁は厚さ50mmのALCで、表面塗装は30年の耐久性です。厚い外壁を求める人には、この数字が判断材料になります。

水害への備えでは、2〜3階を軽量鉄骨造、1階を鉄筋コンクリート造にする組み合わせも選べます。

浸水のリスクがある土地なら、ここは有力な選択肢でしょう。

鉄骨系のプレハブ住宅は、主要構造部を軽量鉄骨で組み、軸組方式とパネル方式に分かれます。

サンヨーホームズはこのうち軸組方式をとり、そこへ鋼製の耐力パネルを足しています。

保証が非公表である以上、他の6社と同じ土俵で年数を比べることはできません。

見積もりの段階で年数と条件を書面でもらい、比較表の空欄を自分で埋めてください。

出所:プレハブ建築協会「鉄鋼系プレハブ住宅・低層」

出所:サンヨーホームズ「耐水害住宅」

サンヨーホームズの基本情報

鉄骨のタイプ軽量鉄骨(公式サイトでは「軽量鉄骨造(2〜3階)」と表記)
主な構造の名称角パイプ柱・大型サイズの梁・鋼製耐力パネルの筋かい(ブレース)による構造体
構造・防水の初期保証公式サイトで非公表
保証の最長年数公式サイトで非公表
保証・点検の条件として公式が示していること保証の条件は非公表。構造躯体は耐用年数100年以上、外壁の表面塗装は30年の耐久性と公表
本社の所在地大阪市
公式サイトサンヨーホームズ
この会社を検討するときの注意点

耐用年数100年以上は、構造躯体の設計上の目安として示された数値です。

税金の計算に使う法定耐用年数とは別物で、そちらは記事の後半で解説します。

保証の年数を数字で比べてから決めたい人には、この会社は書面での確認が前提になります。

積水化学工業(セキスイハイム)|工場でつくった箱を積む方式で、現場施工のばらつきを抑えたい人に向く

現場の職人の腕による出来のばらつきを減らしたい人に向く会社です。住宅を箱(ユニット)に分け、その大半を屋根のある工場でつくります。

7社で「ユニット工法」を名乗るのは、この会社とトヨタホームだけです。

セキスイハイムでは、住宅をユニット単位に分割して、品質管理の徹底された工法で精密につくり込む、独自の「ユニット工法」を採用しています。

引用元:積水化学工業「セキスイハイムの特長」

ベースは柱と梁を溶接して一体にしたユニットで、これを積み重ねる形をボックスラーメン構造と呼びます。

積水化学工業(セキスイハイム)のユニット工法を示した図。柱と梁を工場で溶接して一体にした箱型ユニットを並べて積み上げるボックスラーメン構造

この考え方は1971年のユニット住宅から続いており、2026年で55年になります。

現場で組むのは1日で、その日のうちに雨仕舞(雨水を防ぐ防水処理)まで終えます。雨に濡らさずに建てたい人には、この工程が直接の利点です。

鉄骨系のプレハブ住宅は、工場で加工した部材を現場で組み立てるのが基本の形です。

セキスイハイムはそこから一段進め、部材ではなく箱の単位で工場から運び出します。

ユニット工法は「現場建て」と何が違うのか(4点で見る)
  • 仕組み:柱と梁を溶接した箱(ユニット)を、屋根まで含めて工場でつくります。
  • 現場では、そのユニットを積み重ねてつなぐだけにします。
  • 対比:現場建ては、柱・梁・外壁材を現場に運んで組み立てと接合を行います。
  • ユニット工法は、その組み立ての大半を工場内へ移した点が違います。
  • 便益:工場は天候に左右されず、決まった手順で組み立てます。
  • 現場の職人の腕による出来のばらつきが出にくくなります。
  • 現場での作業は1日で終わり、その日のうちに雨仕舞(雨水を防ぐ防水処理)まで済みます。
  • 限界:箱の大きさは、工場から現場まで運べる範囲に制約されます。
  • 間取りの自由度は、現場建てより狭くなりやすい仕組みです。
  • セキスイハイムがこの制約をどこまで許容しているかは、確認できていません。

保証は最長30年で、7社のなかでは短い部類に入ります。その代わり5年目から60年目まで、5年ごとの定期診断が無償です。

65年目以降100年目までは任意診断に切り替わります。保証の長さと点検の長さを分けて示すのが、この会社の見せ方です。

年数の数字だけを追うと短く見えますが、点検で長く面倒を見る設計だと読めます。

出所:プレハブ建築協会「鉄鋼系プレハブ住宅・低層」

出所:積水化学工業「アフターサポート」

積水化学工業(セキスイハイム)の基本情報

鉄骨のタイプ鉄骨(工場でつくる鉄骨系ユニット)
主な構造の名称ユニット工法/ボックスラーメン構造
構造・防水の初期保証最長30年(保証対象部位の不具合に対して)
保証の最長年数30年
保証・点検の条件として公式が示していること引き渡し後2年間に3回の定期点検。5年目以降60年目まで5年ごとの定期診断、65年目以降100年目まで任意診断。建築地が北海道の場合は保証期間が異なる。ハーベストメントは30年保証制度の対象外
本社の所在地大阪市
公式サイトセキスイハイム(積水化学工業)
この会社を検討するときの注意点

定期診断は点検であって、保証そのものではありません。

診断は目視が中心で、建物の寿命の判断までは行いません。

屋根の上や2階の外壁など、診断できない箇所もあります。

保証の年数そのものを長く取りたいなら、初期保証35年や40年の会社と比べてください。

積水ハウス|階数で軽量鉄骨と重量鉄骨を使い分け、3階建てや4階建ても同じ会社で相談したい人に向く

3階建てや4階建ても含めて1社で相談したい人に向く会社です。商品を「鉄骨1・2階建て」と「鉄骨3・4階建て」に分けています。

階数による鉄骨の使い分けを、商品の入口で先に見せているのがこの会社の作りです。

積水ハウスの鉄骨が2系統であることを示した図。1・2階建ては軽量鉄骨で最大スパン7.0m、3・4階建ては重量鉄骨

高い強度を備える梁を開発したことにより、軽量鉄骨の場合は最大スパン7.0mの、柱や間仕切りのない開放感のある空間を実現します。

引用元:積水ハウス「耐震性能」

スパン(柱と柱の間隔)を広げるほど、部屋を仕切る柱が減り、開放的な空間になります。

耐震実験は軽量鉄骨・重量鉄骨・木造のそれぞれで実物大で行っています。

どの構造を選んでも、同じ検証を通した骨組みだと考えてよいでしょう。

外壁は「外壁パネルロッキング工法」で留め、揺れがくると外壁自体が回転して動きます。

この動きがひび割れや落下を防ぎます。地震のたびに外壁を直す出費を減らしたい人には効くはずです。

7社のうち5社は、保証の最長を年数で区切っています。積水ハウスだけが上限を置きませんでした。

建物がある限り延長できる再保証制度「ユートラスシステム」があります。

ただし無条件ではありません。初期保証30年を保つには、10年点検と20年点検を受ける必要があります。

35年目以降の点検・補修はすべて有料です。無料と有料の境目を年数ではっきり切っているので、費用の見通しは立てやすいでしょう。

出所:積水ハウス「長期保証制度(永年保証)」

積水ハウスの基本情報

鉄骨のタイプ軽量鉄骨(1・2階建て)と重量鉄骨(3・4階建て)
主な構造の名称鉄骨1・2階建て(軽量鉄骨・最大スパン7.0m)/鉄骨3・4階建て(重量鉄骨)/外壁パネルロッキング工法
構造・防水の初期保証30年
保証の最長年数建物がある限り延長できる(再保証制度「ユートラスシステム」)
保証・点検の条件として公式が示していること初期30年保証の継続には10年点検と20年点検の受診が必須。10年・20年点検時に会社が必要と判断した補修工事(無償)を行うことが前提。35年目以降の点検・補修はすべて有料
本社の所在地大阪市
公式サイト積水ハウス 戸建住宅・注文住宅
この会社を検討するときの注意点

最大スパン7.0mは、柱と柱の間隔の上限として示された数値です。

実際にどこまで柱を抜けるかは、階数・間取り・敷地の条件で変わります。

平屋を小さくまとめたい、費用を抑えたいなら、木造の会社のほうが合うでしょう。

大和ハウス工業|天井の高い大きな空間を鉄骨でつくりたい人と、3階建てを検討している人に向く

天井の高い大空間を鉄骨でつくりたい人に向く会社です。天井高2m72cmを標準に置き、軽量鉄骨造と重量鉄骨造の商品を分けて案内しています。

大和ハウスの鉄骨造は地震エネルギーを効果的に吸収し、繰り返す地震に耐え続けます。その「粘り強さ」を生かし、天井高2m72cm標準の大空間を実現できます。

引用元:大和ハウス工業「持続型耐震×高天井の大空間」

標準仕様は商品ごとに違います。地震の力を吸収する「持続型耐震」は、軽量鉄骨造1・2階建て「xevoΣ」の標準です。

重量鉄骨造3階建ての「skye3」では、制震が標準になります。3階建てを考えているなら、見るべきはskye3の仕様です。

大和ハウス工業の構造を示した図。1・2階建ては軽量鉄骨造xevoΣで地震の力を吸収する仕組みが標準、3階建ては重量鉄骨造skye3で制震が標準

裏づけは実験です。2013年9月、防災科学技術研究所の実験施設で実物大の加震実験を行いました。

震度7相当を4回連続で受けても柱・梁は損傷せず、新築時の耐震性能を保ちました。

7社のうち3社は、構造の名称そのものに「制震」を掲げています。繰り返す地震への備えが、商品名の段階で見える形になりました。

大和ハウス工業はこれを「ゆれ疲れ(揺れの蓄積で骨組みが傷むこと)」と呼び、吸収する仕組みを標準装備に組み込みました。

持続型耐震は「制震」と何が違うのか(4点で見る)
  • 仕組み:持続型耐震は、鉄骨部材そのものの粘り強さで地震エネルギーを吸収します。
  • 繰り返す揺れによる「ゆれ疲れ(揺れの蓄積で骨組みが傷むこと)」を抑える仕組みです。
  • 対比:重量鉄骨造3階建ての「skye3」は、「Σ形制震パネル」という部材を追加します。
  • 持続型耐震は骨組みの粘り強さで、Σ形制震パネルは追加した部材で揺れを受け止める違いです。
  • 便益:実物大の加震実験では、震度7相当を4回連続で受けても柱・梁は損傷しませんでした。
  • 新築時の耐震性能を保ち、部材の追加交換なしに性能を保ちやすい設計です。
  • 限界:持続型耐震は、軽量鉄骨造1・2階建ての「xevoΣ」の標準仕様です。
  • 重量鉄骨造3階建ての「skye3」には使われません。
  • どちらの構造になるかは、建てたい階数と選ぶ商品シリーズで決まります。

大空間と耐震を両立させる方針が、天井高2m72cmという数字に出ています。

保証は対象の契約日が決まっています。点検プログラムは2023年10月1日以降、住宅設備10年保証は2018年4月1日以降の契約が対象です。

これから契約する人には関係しますが、日付の線引きがある点は頭に入れておいてください。

出所:大和ハウス工業「長期保証・アフターサポート」

大和ハウス工業の基本情報

鉄骨のタイプ軽量鉄骨(1・2階建て「xevoΣ」)と重量鉄骨(3階建て「skye3」)
主な構造の名称持続型耐震(地震のエネルギーを吸収する仕組み)/skye3はΣ形制震パネル
構造・防水の初期保証30年(構造耐力上主要な部分および雨水の浸入を防止する部分)
保証の最長年数60年(60年以降は耐久性能調査を行い、部位ごとの保証年限を提示)
保証・点検の条件として公式が示していること保証期間内に会社が実施する点検を受けること。保証延長には有料メンテナンス工事の実施が必要。点検プログラムは2023年10月1日以降の契約、住宅設備10年保証は2018年4月1日以降の契約が対象
本社の所在地大阪市
公式サイト大和ハウス工業 注文住宅
この会社を検討するときの注意点

天井高2m72cmは標準仕様の数値で、商品や間取りによって変わります。

加震実験は2013年9月の実施です。条件は公式サイトで確認できます。

天井の高さや大空間より価格を抑えたいなら、この会社の強みは費用に見合わないでしょう。

トヨタホーム|太い柱のユニットで広い空間をつくりたい人と、初期保証の長さを重視する人に向く

引き渡し直後の保証を長く取りたいなら、まずここを見てください。

7社のうち、初期保証40年を掲げているのはトヨタホームだけです。

工場でつくった鉄骨ラーメン構造のユニットを、現場で連結していきます。柱の太さは125ミリ角です。

鉄の持ち味であるしなやかな「粘り強さ」が高い耐震性を発揮する構造です。トヨタホームでは、その単体でも強い鉄の柱と梁を、さらに強固に接合した強靭な構造体「パワースケルトン」を採用しています。

引用元:トヨタホーム「構造体」

この構造体の名前が「パワースケルトン」です。ユニットの連結部を梁で補強し、柱のない大空間をつくります。

トヨタホームの構造を示した図。125ミリ角の柱と梁を剛接合した鉄骨ラーメン構造のユニットを梁で連結して大空間をつくる形

太さが数字で分かるので、他社の見積もりと突き合わせる手がかりになります。

商品は2系統です。鉄骨ラーメン構造のシンセシリーズと、鉄骨軸組工法のエスパシオシリーズが並びます。

7社の初期保証は30年が4社、35年が1社、非公表が1社です。トヨタホームだけが40年から始めます。

そのうえで60年長期保証と生涯点検プログラムを組み合わせる形をとりました。

年数の根拠も示しています。日本の住宅の平均利用期間は30年ほどで、初期保証40年はそこを超える設計です。

途中で住み替える予定がない人ほど、この40年は効いてきます。

出所:トヨタホーム「最長保証60年の長期優良住宅」

トヨタホームの基本情報

鉄骨のタイプ鉄骨(工場でつくる鉄骨ラーメン構造のユニット)
主な構造の名称鉄骨ラーメン構造「パワースケルトン」(柱125ミリ角)/ユニット工法。商品はシンセシリーズ(鉄骨ラーメン構造)とエスパシオシリーズ(鉄骨軸組工法)
構造・防水の初期保証40年(アトリスプラン)
保証の最長年数60年
保証・点検の条件として公式が示していること60年長期保証と生涯点検プログラムを組み合わせる形を公表
本社の所在地名古屋市
公式サイトトヨタホーム 注文住宅
この会社を検討するときの注意点

柱1本で支えられる力は178.4kNです。これはおよそ18トン、ゾウ3〜4頭分ほどの重さを支えられる力に相当します。

ただし3.2ミリ厚の鉄骨を使った場合の値で、すべての商品・仕様には当てはまりません。

間取りを現場で細かく詰めたい人には、工場でつくる範囲の広さが制約になります。

パナソニック ホームズ|3つの構造から敷地と階数に合う形を選びたい人と、初期保証35年を重視する人に向く

敷地の形や階数がまだ固まっていない人に向く会社です。7社のうち、3種類の構造を並べて選ばせるのはパナソニック ホームズだけです。

制震鉄骨軸組構造(HS構法)、重量鉄骨ラーメン構造(NS構法)、大型パネル構造(F構法)が並びます。

パナソニック ホームズの3つの構造を並べた図。制震鉄骨軸組のHS構法、重量鉄骨ラーメンのNS構法、大型パネルのF構法

タイル外壁や陶器瓦仕様などの住まいを対象に、建物の構造耐力上主要な部分は35年間の初期保証を実施。保証終了時の点検、診断に基づく保証延長工事を行うことで保証は最長60年まで延長が可能です。

引用元:パナソニック ホームズ「あんしん初期保証」
3つの構法は何が違うのか(4点で見る)
  • 仕組み:HS構法は、軽量鉄骨で組む「軸組」に制震部材を足した構造です。
  • NS構法は、柱と梁の接合部を固めた重量鉄骨の「ラーメン構造」を採用しています。
  • F構法は、大きなパネル自体に構造耐力を持たせる「パネル」の構造です。
  • 対比:3つは骨組みの組み方そのものが違います。
  • 力の受け止め方が、軸組・ラーメン・パネルでそれぞれ異なります。
  • 便益:NS構法の重量鉄骨ラーメンは、柱の少ない大空間や3階建てに向きます。
  • HS構法は制震部材で、繰り返す地震での揺れを抑えます。
  • 3つを使い分けられる分、この1社でも幅広い土地・建物に対応できます。
  • 限界:初期保証35年・最長60年の条件は3構法とも共通です。
  • 対応できる階数や間取りの自由度は、構法によって異なります。
  • どの構法になるかは敷地条件と階数で決まり、商談で確認する必要があります。

3つはそれぞれ個別のページに分かれ、敷地の条件と建てたい階数で使う構造が変わります。

土地探しと並行して会社を決めたい場合、どの土地でも受けとめられる幅は安心材料でしょう。

保証とは別に、地震建て替え保証も用意されています。

7社のうち3社は、保証の対象になる契約日を年月日まで示しています。

パナソニック ホームズはさらに、仕様と地域でも条件を分けました。

35年あんしん初期保証の対象は、2021年9月16日以降に新規契約した指定仕様です。

仕様はタイル外壁や陶器瓦など、年数は構造躯体35年・防水30年と部位ごとに分かれます。

沖縄エリアだけは初期保証20年です。地域で年数が変わる点は、契約前に必ず確かめてください。

出所:パナソニック ホームズ「あんしん初期保証」

パナソニック ホームズの基本情報

鉄骨のタイプ鉄骨軸組と重量鉄骨(公式サイトでは「制震鉄骨軸組構造」「重量鉄骨ラーメン構造」と表記)
主な構造の名称制震鉄骨軸組構造(HS構法)/重量鉄骨ラーメン構造(NS構法)/大型パネル構造(F構法)
構造・防水の初期保証35年(構造躯体35年・防水30年)。沖縄エリアは20年
保証の最長年数60年
保証・点検の条件として公式が示していること2021年9月16日以降に新規契約したタイル外壁・陶器瓦などの指定仕様が対象。保証終了時の点検・診断に基づく保証延長工事の実施が必要
本社の所在地大阪府豊中市
公式サイトパナソニック ホームズ 注文住宅
この会社を検討するときの注意点

35年の初期保証は、外壁や屋根の仕様が指定の条件に合う場合の年数です。

仕様を変えると年数が変わるため、見積もりの段階で対象かどうかを確かめてください。

外壁や屋根を自由に選びたい人には、保証の条件が制約になります。

7社の坪単価は、決算資料まで下りると3社ぶん分かる

予算の見当をつけたい人は、ここから読んでください。

7社の商品ページに坪単価の記載はありません。ところが投資家向けの決算資料まで下りると、3社ぶんの坪単価が出てきます。

1棟あたりの売上金額と平均の床面積が、そこに並んでいるからです。

この章の坪単価の決め方
  • 建物の金額を延床面積で割った値です。屋外の給排水や地盤改良などの付帯工事費、設計料や登記費用、土地代は含みません。
  • 1坪は3.305785㎡として換算しました。
  • 会社が公表した数字は、その会社が示した範囲を表の「その数字が指す範囲」の列に載せています。
  • 使う資料は各社の決算資料と国の統計に限りました。他社の推計値は入れていません。

坪単価を出せるのが3社、1棟あたりの金額どまりが2社

先に結論を置きます。7社を横一列にそろえた坪単価の表は、公表情報からは作れません。

坪単価そのものを出せるのが3社、1棟あたりの金額どまりが2社、数字が存在しないのが2社でした。

数字の確かさが社ごとに違うので、出どころを1列に分けて示します。

この表を見ると、どの会社の数字までなら原本で確かめられるかが分かります。

会社名坪単価(1坪あたり)その数字が指す範囲数字の出どころ時点
旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)非公表
(1棟あたり約5,166万円)
戸建の受注高2,361億円を受注戸数4,570戸で割った金額。平均の床面積が公表されていないため坪単価にできない住宅事業の概要 3ページ2025年度
サンヨーホームズ非公表
(1棟あたり約5,840万円)
戸建の受注高7,008百万円を受注棟数120棟で割った金額。平均の床面積が公表されていない決算説明会資料 11・13ページ2026年3月期
積水化学工業(セキスイハイム)114.0万円
(会社が公表)
戸建7,670棟の平均。注文住宅6,625棟と建売1,045棟を合わせた数字で、注文住宅だけの値ではない決算説明会資料 47ページ2025年度
積水ハウス137.1万円
(会社が公表)
鉄骨とシャーウッド(積水ハウスの木造ブランド)の新築請負。鉄筋コンクリート造とリフォームは含まないFinancial Factbook 27ページ2025年度
大和ハウス工業129.8万円
(金額と面積から換算)
戸建請負のうち鉄骨造だけ。7社で唯一、構造別に分かれているFinancial Factbook 13ページ2026年3月期
トヨタホーム公表なし2020年に持株会社プライムライフテクノロジーズの傘下へ入り、単独で決算を公表する義務がなくなったトヨタホーム「PLT Group」—(単独の決算資料がないため算出不可)
パナソニック ホームズ公表なし2017年に上場廃止、2020年に同じ持株会社の傘下へ入り、単独の決算資料が存在しないパナソニック ホームズ「PLTグループ」—(単独の決算資料がないため算出不可)

※横にスクロールすると全ての項目を見られます。資料名から原本のPDFへ移動できます。

3社の坪単価は114.0万円から137.1万円までの幅に収まります。

ただし3社は数えている範囲が違うため、この幅を順番として読まないでください。

積水ハウスの137.1万円が何を数えた金額かは、同じページの注記が範囲を区切っています。

戸建住宅は、鉄骨・シャーウッドの新築物件のみを対象。また、売建分譲による建物分については、請負住宅に含む(RC・リフォームは含めず)。

引用元:積水ハウス「Financial Factbook Fiscal Year 2025」27ページ

賃貸も鉄筋コンクリート造もリフォームも混ざっていません。注文住宅を建てる人が見る数字として、そのまま使えます。

※積水ハウスの表記は「3.3㎡当たり売上金額」です。1棟5,642.9万円を136.08㎡で割り、1坪3.305785㎡で換算した値と一致しました。

いっぽうセキスイハイムの114.0万円には、建売が1,045棟入っています。

注文住宅だけを取り出した数字ではないので、積水ハウスや大和ハウス工業と単純に引き算しないでください。

1棟あたりの金額しか出せない2社について

旭化成ホームズとサンヨーホームズは、平均の床面積を公表していません。金額を面積で割れないため、坪単価は出せません。

旭化成ホームズの約5,166万円は、住宅事業の概要にある戸建系の受注高と受注戸数から割り出した値です。

会社が「平均単価」として発表した数字ではありません。

サンヨーホームズの受注棟数120棟は、決算説明会資料が戸建と別区分をまとめて示した棟数です。

受注高7,008百万円のほうは戸建の値なので、割り算の分母と分子で範囲がずれている可能性が残ります。

どちらも土地代を含むかどうかは、資料に注記がありません。

大和ハウス工業では、木造のほうが鉄骨造より1坪18.4万円高い

「鉄骨は木造より高い」は、会社によっては成り立ちません。

大和ハウス工業は7社で唯一、戸建の請負を鉄骨造と木造に分けて数字を出しています。

2026年3月期を比べると、木造が148.2万円、鉄骨造が129.8万円でした。

同じ会社のなかで、木造のほうが1坪あたり18.4万円高い逆転が起きています。

この表からは、鉄骨造と木造の上がり方の違いが読み取れます。

構造2024年3月期2025年3月期2026年3月期
鉄骨造116.6万円127.0万円129.8万円
木造122.8万円140.1万円148.2万円

出典:大和ハウス工業「Financial Factbook」13ページ。2026年3月期の資料です。

※一戸当たりの平均売上金額を平均売上面積で割り、1坪3.305785㎡で換算しています。

鉄骨造は1棟あたりの金額が5,410万円から5,210万円へ下がりました。

それでも坪単価が上がったのは、平均の床面積が140.8㎡から132.7㎡へ縮んだためです。

総額が下がっても、同じ予算で建てられる家は小さくなっています。

構造の名前だけで金額を決めつけず、同じ会社のなかで木造と鉄骨造の見積もりを並べてください。

鉄骨造の全国相場は1坪121.7万円で、木造の1.41倍

会社ごとの数字を見たら、次は国の統計で物差しを持ちます。

建築着工統計の第34表には、持家を構造別に分けた1㎡あたりの工事費予定額が載っています。

令和7年(2025年1月から12月)の全国計は、鉄骨造が1㎡36.8万円でした。

1坪に直すと121.7万円です。木造は1㎡26.1万円で、1坪あたり86.3万円になります。

鉄骨造は木造の1.41倍で、1坪あたり35.4万円の差があります。35坪なら約1,239万円の開きです。

この表は、鉄骨造の値上がりが木造より緩やかだったことを示しています。

構造(持家・全国計)2022年2023年2024年2025年
鉄骨造99.8万円107.8万円114.7万円121.7万円
木造63.1万円74.7万円81.3万円86.3万円
持家の全構造68.1万円79.0万円85.3万円90.2万円

出典:国土交通省「建築着工統計調査」第34表(e-Stat)令和4年計〜令和7年計のデータです。

※1㎡あたりの工事費予定額に3.305785を掛けると坪単価になります。

鉄骨造は3年で21.9%上がり、木造は36.8%上がりました。

上げ幅の割合では木造のほうが大きく、金額の差はむしろ縮んでいます。

それでも35坪あたりに直すと、鉄骨造は3年前より約766万円高い計算です。

見積もりが数年前の相場感と合わなくても、それは1社だけの事情ではありません。

この相場と、記事の最初に出した着工戸数の集計期間の違い

この章の坪単価は令和7年計、つまり2025年1月から12月までの集計です。

記事の最初に出した持家195,111戸という着工戸数は、令和7年度(2025年4月から2026年3月)の集計でした。

工事費を構造別に載せている第34表が暦年でしか公表されていないため、期間をそろえられません。

戸数と金額を足し合わせて計算するときは、この違いに注意してください。

坪単価が資料によって開く、2つの理由

坪単価を調べると、資料ごとに違う数字が並んで戸惑うはずです。

この章で扱った数字だけでも、1坪あたりは103.8万円から137.1万円まで開きます。

幅が生まれる理由は2つあり、どちらも数字の作り方にあります。

1つ目は、建物本体だけの金額か、総額に近い金額かがそろっていない点です。

建築着工統計の持家は、全構造で1坪90.2万円でした。

いっぽうフラット35利用者調査の注文住宅は、同じく全構造で1坪118.9万円です。

前者は建築確認のときに届け出る工事費、後者は施主が実際に用意した建設費になります。

同じ2025年の持家でも、本体寄りか総額寄りかで1.32倍ちがいます。

出典:国土交通省「建築着工統計調査」第34表 令和7年計

出典:住宅金融支援機構「2025年度フラット35利用者調査」18・19ページ

2つ目は、どの公的統計を引くかで答えが動く点です。

国税庁にも構造別の工事費用表があり、鉄骨造は1㎡314千円でした。

1坪に直すと103.8万円で、建築着工統計の121.7万円より17.2%低い水準です。

この表は災害の損失額を計算するための評価用で、注文住宅の販売価格ではありません。

出どころを書かずに数字だけ並べると、読み手はこの違いに気づけないでしょう。

出典:国税庁「地域別・構造別の工事費用表(1㎡当たり)【令和7年分用】」

だからこの記事は、会社が公表した決算資料と国の統計だけを使いました。

数字が合わないと感じたら、原本を開いて確かめてください。

軽量鉄骨と重量鉄骨は何が違うのか

呼び分けの基準は、柱や梁になる鋼材の厚み

軽量か重量かの分かれ目は、骨格材(柱や梁になる鋼材)の厚みです。名前のとおり、厚いほうが重量鉄骨になります。

この違いは、建てられる階数と間取りの自由度に直結します。1階建て・2階建ての商品には軽量鉄骨、3階建てや柱の少ない大空間には重量鉄骨が使われます。

軽量鉄骨と重量鉄骨の違いを示した図。軽量鉄骨は薄い鋼材で1・2階建て、重量鉄骨は厚い鋼材で3階建てや大空間に使われる

つまり、建てたい階数が決まれば鉄骨の種類も決まります。会社を選ぶ前に階数から入るべき理由が、ここにあります。

鉄鋼系プレハブは、主要構造部を軽量鉄骨で構成した建物です。工場では鋼材加工ラインで切断、穴あけされ、入念に防錆塗装されます。

引用元:プレハブ建築協会「鉄鋼系プレハブ住宅・低層」

税金の計算に使う年数は、厚みで3段階に分かれる

厚みの違いは、税金の計算にもそのまま効いてきます。住宅用の金属造の法定耐用年数は、3段階に分かれています。

厚みが4mmを超えるものは34年、3mmを超え4mm以下は27年、3mm以下は19年です。

同じ表で木造・合成樹脂造の住宅用は22年、鉄筋コンクリート造の住宅用は47年です。

出典:国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」

年数の元になる表は、国税庁が主な減価償却資産の耐用年数表として公開しています。

この年数は税金の計算に使うもので、住める年数でも保証の年数でもありません。

それでも、将来その家を貸すときや売るときの計算には効きます。軽量か重量かは、住み心地だけの話ではないと考えてください。

骨組みの組み方は、軸組・パネル・ラーメンの3方式

鉄鋼系プレハブ住宅の組み方は、大きく3方式に分かれます。7社の構造名がばらばらに見えても、根っこはこの3つです。

1つ目は軸組方式で、柱・梁・けたを軽量形鋼で組んで壁・床パネルを張ります。

2つ目はパネル方式で、外壁パネル自体に構造耐力を持たせます。

3つ目はラーメン構法で、柱と梁を重量鉄骨で構成します。7社の構造は、この3方式かその組み合わせでできています。

どの方式でも、柱や梁は工場の加工ラインで切断・穴あけし、防錆塗装をしてから現場へ運びます。

出所:プレハブ建築協会「鉄鋼系プレハブ住宅・低層」

鉄骨造と木造で判断が分かれる3つの条件

鉄骨造と木造の分かれ目は3つです。どちらが優れているかではなく、建てたい家の条件で決まります。

判断する条件鉄骨造木造
3階建て・大空間重量鉄骨の構造を公表する会社があり、3階建てや4階建ての商品が用意されている3階建ての商品もあるが、この記事の7社では鉄骨の商品として案内されている
税金の計算に使う年数骨格材の厚みで34年・27年・19年の3段階(住宅用の金属造)22年(住宅用の木造・合成樹脂造)
つくり方柱や梁を工場の加工ラインで切断・穴あけし、防錆塗装をしてから現場へ運ぶ会社によって工場で加工する範囲が異なる

※年数の出典は国税庁の耐用年数表、つくり方の出典はプレハブ建築協会の解説です。

鉄骨造が候補に入るのは、次のどれかに当てはまるときです。

3階建てを建てたい、柱の少ない広い部屋がほしい、将来その家を人に貸すかもしれない、の3つになります。

どれかに当てはまるなら、鉄骨造を扱う会社を候補に入れる価値があります。

逆に平屋を小さくまとめたい、価格を抑えたいという条件が最優先なら、木造を扱う会社も見てください。

契約前に確認したい4つのこと

候補が絞れたら、次は契約前の確認です。運営チームが305人に聞いた調査から、実際につまずいた点を4つに絞りました。

鉄骨のハウスメーカーを選ぶ4ステップを示した図。1建てたい階数を決める、2鉄骨のタイプを確かめる、3保証の年数と延長の条件を読む、4同じ条件で見積もりを比べる

2社以上を同じ条件で比べる

305人のうち176人が、ハウスメーカーを1社しか比較せずに決めていました。過半数です。

2社で決めた人が56人、3社が42人、4社が12人、5社以上が19人でした。

同じ延床面積・同じ仕様で2社から取れば、金額差だけでなく提案の考え方の違いも見えます。

比較の相手がいなければ、提示された金額が高いのか安いのかを判断する材料がありません。

予算の幅を先に決める

建築費用で最も多かった帯は、2,000万〜2,500万円未満の67人でした。

次いで2,500万〜3,000万円未満が51人、3,000万〜3,500万円未満が45人です。

1,500万〜2,000万円未満は42人、1,500万円未満は28人でした。

4,000万〜5,000万円未満は21人、5,000万円以上は19人です。鉄骨造に限った数字ではありません。

注目したいのは、その後の後悔です。305人のうち34人が「建築費用が予算を大幅に超えた」と答えました。

29人は「オプション費用が想定以上にかかった」と回答しています。上限を先に決めておけば、この2つは防ぎやすくなります。

断熱の仕様を見積書で確認する

32人が「断熱・気密性能が期待ほどではなかった」と後悔を挙げました。

構造を問わない全体の数値ですが、鉄骨造でも他人事ではありません。

断熱材の種類と厚み、窓とサッシの仕様は、見積書に必ず書かれています。

契約前に読み合わせておけば、住み始めてからの「こんなはずでは」を減らせます。

保証の条件を保証書で確認する

7社を並べて分かったのは、差がつくのは年数ではなく条件のほうだということです。

点検を受けることが条件の会社もあれば、有償のメンテナンス工事が条件の会社もあります。

対象になる契約日や外壁の仕様まで決めている会社もありました。

年数と条件はセットで、必ず書面で確認してください。

鉄骨のハウスメーカーに関するよくある質問

鉄骨造の大手ハウスメーカーにはどんな会社がありますか?

この記事で扱うのは7社です。

旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)、サンヨーホームズ、積水化学工業(セキスイハイム)の3社があります。

残りは積水ハウス、大和ハウス工業、トヨタホーム、パナソニック ホームズの4社です。

プレハブ建築協会の正会員30社を母集団にし、鉄骨造の商品を公式サイトに掲載している会社に絞りました。

軽量鉄骨と重量鉄骨はどちらを選べばよいですか?

建てたい階数から決めるのが早道です。

1階建て・2階建ての商品には軽量鉄骨、3階建て以上や柱の少ない大空間には重量鉄骨が使われます。

3階建てを考えているなら、重量鉄骨の構造を公表している会社に候補を絞れます。

平屋や2階建てなら、軽量鉄骨の会社も含めて幅広く見てください。

鉄骨造の法定耐用年数は何年ですか?

住宅用の金属造は、骨格材の厚みで3段階に分かれます。

厚みが4mmを超えるものは34年、3mmを超え4mm以下のものは27年、3mm以下のものは19年です。

同じ国税庁の表で、木造の住宅用は22年、鉄筋コンクリート造の住宅用は47年になります。

これは税金の計算に使う年数で、住める年数でも保証の年数でもありません。

鉄骨造の家は木造より高くなりますか?

国の統計で見ると、鉄骨造のほうが高くなります。

令和7年の持家は鉄骨造が1坪121.7万円、木造が86.3万円で、1.41倍の差がありました。

ただし会社ごとに見ると逆転します。大和ハウス工業の2026年3月期は、木造148.2万円に対して鉄骨造129.8万円でした。

同じ会社のなかで、木造のほうが1坪18.4万円高い形になっています。

構造の名前だけで決めず、同じ延床面積・同じ仕様で複数社から見積もりを取り、総額で比べてください。

鉄骨造は寒いと言われますが本当ですか?

構造だけで寒さは決まりません。各社が断熱の仕様を商品ごとに分けて公表しているのが実態です。

運営チームの調査では、注文住宅を建てた305人のうち32件が「断熱・気密性能が期待ほどではなかった」と回答しました。

これは構造を問わない全体の数値です。

契約前に断熱材の種類と厚み、窓の仕様を見積書で確かめてください。

鉄骨のハウスメーカーはどうやって絞り込めばよいですか?

4ステップで進めます。

前半は、建てたい階数を決めることと、鉄骨のタイプを確かめることです。

後半は保証の年数と延長の条件を読み、同じ条件で見積もりを比べます。

運営チームの調査では、注文住宅を建てた305人のうち176人が1社しか比較していませんでした。

まず2社以上を同じ条件で比べてください。ここが後悔を減らす近道です。

まとめ

鉄骨のハウスメーカー選びは、階数から入るのが最短です。階数が決まれば鉄骨のタイプが決まり、候補が絞れます。

次に保証の年数と延長の条件を読み、最後に同じ条件で見積もりを比べてください。

7社はいずれも構造の名称を公表していますが、保証の年数まで公表しているのは6社でした。

残る1社は書面で埋める前提になります。まずは比較表で鉄骨のタイプを見て、条件に合う会社の解説へ進んでください。

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執筆者

資産活用おすすめナビ運営チームです。注文住宅・ハウスメーカー・工務店での家づくり、坪単価や総額、間取り・住宅性能、住宅ローンや資金計画を担当する運営チームです。住宅展示場やメーカーへの取材、公的機関・各社の公式情報をもとに、坪単価を「本体価格か総額か」で見極め、後悔しない家づくりの視点で、メリットだけでなく注意点もあわせて整理しています。

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