物件概要書とは?記載項目の見方から活用法まで徹底解説

物件概要書は、不動産取引において物件の基本情報を整理した重要な書類です。しかし「何が書いてあるのか」「どこを見ればよいのか」がわからないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、物件概要書の基礎知識から記載項目のチェックポイント、売主・買主・投資家それぞれの活用法まで詳しく解説します。物件概要書を正しく読み解くことで、不動産取引をスムーズに進めましょう。

すぐわかる!この記事3つのポイント!
  • 物件概要書の記載項目と見方を、基本情報・土地・建物・法令制限・設備・収入の6カテゴリに分けて解説
  • 重要事項説明書・物件状況確認書との違いを比較表で整理
  • 売主向けの活用法や自分で作成する際の必要書類・テンプレート情報も紹介
目次

物件概要書とは?基本をわかりやすく解説

まず、物件概要書がどのような書類なのか、基本的な知識を確認しましょう。

物件概要書は不動産物件の情報をまとめた書類

物件概要書とは、不動産物件の概要を整理して記載した書類です。具体的には、以下のような情報が記載されています。

  • 物件の所在地・価格
  • 交通アクセス
  • 土地・建物の面積
  • 建物の構造・築年数
  • 用途地域などの法令制限
  • 設備の状況
  • 投資用物件の場合は利回り・賃料

物件概要書は「物件紹介書」「物件資料」と呼ばれることもありますが、いずれも物件の基本情報をまとめた書類という点は共通しています。なお、「物件状況等報告書(告知書)」は売主が物件の不具合や瑕疵を告知するための別の書類ですので、混同しないよう注意しましょう。

物件概要書は誰が作成する?

物件概要書には法律で定められた書式がなく、誰が作成しても構いません。ただし、通常は売却を依頼された不動産会社が作成するのが一般的です。

不動産会社は物件の図面や外観・室内の写真と合わせて物件概要書を作成し、購入希望者への情報提供に使用します。そのため、物件概要書の内容は不動産会社の知見や調査力によって充実度が異なります。

なお、売主自身が物件概要書を作成することも可能です。その場合のポイントは後述の「物件概要書を自分で作成するときのポイント」で解説します。

物件概要書を使うタイミングと流れ

物件概要書は、不動産取引の以下のタイミングで活用されます。

スクロールできます
タイミング活用シーン
物件探し不動産ポータルサイトや不動産会社で物件情報を確認する際に、物件概要書で詳細を把握する
物件比較複数の候補物件の条件を、物件概要書を並べて比較検討する
条件交渉物件概要書の記載内容をもとに、売主と買主が価格や条件を交渉する
契約前確認重要事項説明の前に、物件の基本情報を事前に確認しておく
投資判断投資用物件の利回りや構造、法令制限を確認し、投資適性を判断する

物件概要書はあくまで「概要」をまとめた書類であり、法的拘束力はありません。契約時には別途、重要事項説明書や売買契約書が必要になります。

物件概要書・重要事項説明書・物件状況確認書の違い【比較表】

不動産取引では複数の書類が登場するため、混同しやすいポイントです。それぞれの違いを比較表で整理します。

スクロールできます
比較項目物件概要書重要事項説明書物件状況確認書(告知書)
目的物件の基本情報を整理して提供契約前に物件と取引条件の重要事項を説明物件の現在の状態・瑕疵を告知
作成者不動産会社(売主も可)宅地建物取引士(宅建士)売主
法的義務なし(任意の書類)あり(宅建業法第35条で義務)義務ではないが実務上必須
交付タイミング物件探し〜交渉時売買契約の締結前売買契約時に交付が一般的
記載内容物件の概要(所在地、面積、価格等)法令制限、インフラ、契約条件、手付金、違約金等雨漏り、シロアリ、設備の故障、心理的瑕疵等
書式決まりなし法定の書式あり不動産協会の標準書式が一般的

ポイント:物件概要書は物件探しの段階で使う「概要資料」、重要事項説明書は契約前に宅建士が説明する「法定書類」、物件状況確認書は売主が物件の問題点を告知する「告知書」と理解しておきましょう。

物件概要書の記載項目とチェックポイント

物件概要書には多くの情報が記載されていますが、カテゴリ別に整理すると理解しやすくなります。ここでは各カテゴリの記載事項とチェックポイントを表で解説します。

基本情報

スクロールできます
記載事項記入例注記チェックポイント
物件種目売アパート(中古・1棟)売アパート、売土地、売店舗などと、新築・分譲・中古などを記載
物件価格1,500万円土地の売買や中古住宅の個人間取引は消費税非課税(投資用物件の場合は課税対象)相場と比較して妥当な価格か
権利形態所有権所有権、借地権などを記載借地権の場合は融資が下りにくい
所在地○○市○○町地番または住居表示を記載
交通アクセス○○駅から徒歩5分実測距離(直線距離ではない)で徒歩1分=80m、車1分=400mで計算実際に歩いて確認するのがおすすめ

土地に関する情報

土地の面積・地目・接道状況など、土地に関する情報が記載されます。

スクロールできます
記載事項記入例注記チェックポイント
面積515.00㎡(154.28坪)公簿面積または実測面積を記載公簿面積と実測面積に差がないか
地目宅地宅地、田、畑など登記簿上の地目を記載
接道状況北側25m国道、東側12m市道道路が敷地に接している方位、道路の幅員、道路の種類を記載接道要件を満たさない場合は再建築不可物件
その他地勢:平坦

建物に関する情報

建物の構造・種類、延床面積、建築年月、間取りなど、建物に関する情報が記載されます。

スクロールできます
記載事項記入例注記チェックポイント
構造木造スレート葺地上2階建用途にあった構造か。瓦葺の場合リフォームが必要になることがある
種類共同住宅居宅、共同住宅、事務所などを記載
延床面積298.48㎡
建築年月2000年3月築年数が経過しすぎていないか。1981年6月以降の新耐震基準に適合しているか
間取り・戸数1DK8戸
駐車場なしファミリー向け物件や徒歩20分以上であれば敷地内か、車庫証明がとれる直線距離で2km以内に駐車場の確保が必要

法令制限に関する情報

都市計画や用途地域、建ぺい率、容積率など、法令制限に関する情報が記載されます。

スクロールできます
記載事項記入例注記チェックポイント
都市計画市街化区域市街化調整区域または市街化区域を記載市街化調整区域は原則として建物の建築が制限される
用途地域第一種低層住居専用地域全13種類ある用途に合った地域か
建ぺい率60%建築面積÷敷地面積建築基準法に違反していないか
容積率200%延床面積÷敷地面積建築基準法に違反していないか。容積率に余裕があるか
その他の制限準防火地域、日影制限:10m以上5h/3h/4m、高さ制限:15m防火地域、日影制限、高さ制限などを記載各制限に違反していないか

設備に関する情報

電気やガス、上下水道など、設備に関する情報が記載されます。

スクロールできます
記載事項記入例注記チェックポイント
電気○○電力
ガス○○ガスプロパンガスの場合は「LPG」と記載都市ガスとプロパンガスではランニングコストが異なる
上水道公営水道接続工事が必要な場合は(接続要)を付記接続工事が必要な場合は追加費用が発生
下水道公共下水接続工事が必要な場合は(接続要)を付記浄化槽の場合はメンテナンス費用が発生
その他インターネット無料接続利用料は家主負担のケースがあるため確認

収入に関する情報(投資用物件の場合)

投資用物件の場合は、現在の賃料や利回りなど収入に関する情報が記載されます。

スクロールできます
記載事項記入例注記チェックポイント
利回り5.00%集合住宅の場合は満室を想定した「表面利回り」が記載されることが多い表面利回りだけでなく実質利回りも計算する。利回りが相場より極端に高い・低い場合は要注意
月額賃料50,000円周辺相場と比較して適正か

その他の情報

取引形態や仲介・販売にあたる不動産会社、引渡時期などの情報が記載されます。

スクロールできます
記載事項記入例注記チェックポイント
取引形態仲介売主、代理、仲介(媒介)を記載仲介の場合は不動産会社に仲介手数料を支払う必要がある
仲介・販売会社名○○不動産取引形態が売主の場合はこの会社が物件を販売、仲介の場合は仲介業者を記載
引渡時期相談希望時期に合うか
現況入居者居住中入居者居住中の場合は内覧できないケースがある
その他告知事項あり物件の特徴や伝えたい内容等があれば記載契約不適合責任が免責されていないか。告知事項の内容を必ず確認

図面・写真のチェックポイント

物件概要書に添付されている図面や写真からも、重要な情報を読み取ることができます。

  • 間取り・広さ:生活動線や家具配置がイメージできるか
  • バスとトイレ:別になっているか(賃貸需要に影響)
  • 収納・クローゼット:広さは十分か
  • 周辺の生活利便施設:スーパー、コンビニ、銀行、病院などが近くにあるか
  • 周辺の嫌悪施設:風俗店、工場、ごみ焼却場、墓地などがないか

ただし、図面や写真だけでは分からないことも多いため、必ず現地に足を運んで自分の目で確認することが大切です。

不動産投資における銀行からの融資についても気になる方は以下の記事もご覧ください。

合わせて読みたい

物件概要書の3つの活用法

物件概要書は、不動産取引のさまざまな場面で活用できます。

物件探し・比較検討に活用する

物件概要書があれば、物件の基本情報を短時間で効率的に把握できます。複数の物件を比較する際にも、物件概要書を並べて見ることで、価格・面積・築年数・利回りなどの条件を一目で比較できます。

不動産ポータルサイトに掲載されている物件情報は、実質的に物件概要書の内容を元にしています。気になる物件があれば、不動産会社に問い合わせてより詳細な物件概要書を入手しましょう。

売買条件の交渉をスムーズに進める

物件概要書に記載された情報をもとに、売主と買主が共通認識を持った上で条件交渉を行うことができます。

例えば、築年数や設備の状態、法令制限などの客観的な情報をベースにすることで、根拠のある価格交渉が可能になります。「物件概要書に記載されている○○の状態を考慮して、価格の見直しをお願いしたい」といった具体的な交渉ができるのです。

引渡し後のトラブルを防止する

物件概要書には、物件の問題点も記載する必要があります。例えば以下のような情報です。

  • 雨漏り・シロアリ被害などの物理的瑕疵
  • 埋設物・土壌汚染などの土地の問題
  • 騒音・振動・悪臭などの環境的瑕疵
  • 事故や事件などの心理的瑕疵

売主にはこれらの問題点を買主に説明する義務があります。問題点を隠したり虚偽の説明をしたりすると、民法上の契約不適合責任を問われ、契約解除や損害賠償を請求される可能性があります。

トラブルを防ぐためにも、物件概要書を通じて物件の問題点を売主・買主双方で共有しておくことが重要です。

【売主向け】物件概要書を活用して売却を有利にするコツ

不動産を売却する際、物件概要書の内容は買主の購入判断に大きく影響します。売主として押さえておきたいポイントを紹介します。

正確な情報を記載して買主の信頼を得る

物件概要書の情報が正確であるほど、買主からの信頼度が高まり、スムーズな売却につながります。

面積や築年数、設備の状況などは、登記簿謄本や建築確認済証、設備の保証書などの裏付け資料をもとに正確に記載しましょう。曖昧な情報や「おそらく」「たぶん」という記載は、買主の不安を招きます。

物件のアピールポイントを整理する

物件概要書は事実を記載する書類ですが、物件の強みを整理して伝える場でもあります。

  • 立地の良さ:駅からの距離、周辺施設の充実度
  • 設備の特長:リフォーム履歴、設備の更新時期
  • 管理状態:定期的なメンテナンス実績
  • 収益性:投資用物件の場合は入居率や利回りの実績

これらの情報を「その他」欄や添付資料で補足することで、物件の魅力を的確に伝えられます。

瑕疵・告知事項を隠さず記載する理由

物件に問題点がある場合、「書かないほうが売れやすいのでは」と考える方もいるかもしれません。しかし、瑕疵を隠して売却することは大きなリスクを伴います。

  • 契約不適合責任により、契約解除・損害賠償請求を受ける可能性がある
  • 買主との信頼関係が崩れ、訴訟に発展するケースもある
  • 2020年4月の民法改正により、買主の権利(追完請求・代金減額請求等)が強化された

問題点は正直に記載した上で、すでに対策済みであればその内容も合わせて記載しましょう。例えば「過去にシロアリ被害があったが、○年に駆除・防蟻処理を実施済み」と記載すれば、買主も安心して検討できます。

【投資家向け】物件概要書からわかる投資適性の見極め方

投資目的で不動産を購入する場合、物件概要書は投資判断の重要な材料となります。以下の3つの観点からチェックしましょう。

  • 物件自体が投資対象として適切か(利回り、構造、築年数など)
  • その物件に賃貸ニーズがあるか(交通アクセス、間取り、広さ、設備、家賃設定など)
  • 購入後に大きな修繕コストが発生しないか(設備更新、リフォーム、大規模修繕などの履歴)

建物構造と法定耐用年数の関係

建物の構造によって法定耐用年数と投資に適した築年数の目安が異なります。

スクロールできます
構造用途投資物件に向いている築年数法定耐用年数
木造一戸建て、アパートできるだけ新築に近いもの22年
鉄骨造アパート、マンション、オフィスビル10年未満軽量鉄骨:19〜27年、重量鉄骨:34年
鉄筋コンクリート造マンション、オフィスビル25年未満47年

法定耐用年数を超えた物件は、金融機関からの融資が受けにくくなるため注意が必要です。ただし、法定耐用年数はあくまで税務上の基準であり、適切にメンテナンスされた建物は耐用年数を超えても使用可能です。

利回りの見方と計算方法

物件概要書に記載されている利回りは、多くの場合「表面利回り(グロス利回り)」です。表面利回りは満室を前提として計算されており、実際の収益性を正確に反映していません。

投資判断には、諸経費を差し引いた「実質利回り(ネット利回り)」を計算しましょう。

計算式

実質利回り=(年間家賃収入 − 年間諸経費)÷(物件購入価格 + 購入時諸経費)× 100

年間諸経費には、管理費、修繕積立金、固定資産税、火災保険料、管理委託費などが含まれます。表面利回りが高くても、諸経費が大きければ実質利回りは低くなるため、必ず実質利回りで比較しましょう。

入居率・積算価格・収益価格のチェック

入居率:

集合住宅の場合、入居率は収益に直結します。入居率が50%を下回っている物件は要注意です。空室が多い原因(立地、家賃設定、設備の老朽化など)を確認し、改善の余地があるかを判断しましょう。

積算価格:

積算価格は、土地と建物の現在価値を合計した価格です。積算価格が物件価格を上回っていれば、担保価値が高いと判断でき、融資を受けやすくなります。

計算式

積算価格 = 土地の現在価格 + 建物の現在価格
土地の現在価格 = 路線価 × 土地面積
建物の現在価格 = 再調達単価 × 建物面積 ×(残存年数 ÷ 法定耐用年数)

路線価は国税庁の「路線価図・評価倍率表」で確認できます。

収益価格:

収益価格は、その物件が将来生み出す収益から算出した価格です。収益価格が物件価格を上回っていれば、投資として割安と判断できます。

計算式

収益価格 = 純収益 ÷ 還元利回り

例えば、月額家賃5万円、年間諸経費30万円、還元利回り5%の場合:

計算式

年間家賃収入:5万円 × 12か月 = 60万円
純収益:60万円 − 30万円 = 30万円
収益価格:30万円 ÷ 5% = 600万円

この物件が600万円以下で購入できれば、投資としては割安と判断できます。

物件概要書からわかる要注意物件

物件概要書を確認する際、以下のような物件には特に注意が必要です。

違法建築物件(法的瑕疵物件)

違法建築物件とは、建築関連の法律に違反している物件のことです。主に以下の法律に違反するケースがあります。

スクロールできます
法律違反内容の例
建築基準法建物の構造上の安全基準や接道義務、容積率、建ぺい率などが基準を満たしていない
消防法火災報知器やスプリンクラー、防火扉など消防設備・防災設備が未設置・未更新
都市計画法市街化調整区域・用途地域など建築制限があるエリア内の違反建築物

違法建築物件は金融機関からの融資が受けられないケースが多く、将来の売却時にも買い手が見つかりにくくなります。物件概要書の建ぺい率・容積率・接道状況を確認し、法令に適合しているかをチェックしましょう。

再建築不可物件

再建築不可物件とは、建築基準法上の接道義務を満たしていないために、現在の建物を取り壊した後に新たな建物を建てられない物件です。

建築基準法では、建物の敷地は幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない(接道義務)と定められています。この要件を満たさない土地は再建築ができません。

再建築不可物件は以下のリスクがあります。

  • 建物が老朽化しても建て替えができない
  • 金融機関からの融資が極めて難しい
  • 将来の売却が困難で、資産価値が大幅に低い

物件概要書の接道状況の欄で、接道要件を満たしているかを必ず確認しましょう。

物件概要書を自分で作成するときのポイント

売主自身で物件概要書を作成するケースもあります。正確で分かりやすい物件概要書を作成するためのポイントを解説します。

作成に必要な書類を揃える

物件概要書を作成する際は、以下の書類を手元に用意して情報を正確に記載しましょう。

スクロールできます
必要書類確認できる情報
登記簿謄本(登記事項証明書)所在地、面積、構造、権利形態
測量図土地の正確な面積、形状
建築確認済証・検査済証建築年月、法令適合の有無
固定資産税の課税明細書課税評価額、面積
購入時の売買契約書購入価格、取引条件
管理規約(マンションの場合)管理費、修繕積立金、使用制限
賃貸借契約書(投資用の場合)賃料、入居状況

最低限記載すべき項目リスト

物件概要書に決まった書式はありませんが、最低限以下の項目は記載しましょう。

  • 物件種目(売マンション、売土地など)
  • 物件価格
  • 所在地
  • 交通アクセス
  • 土地面積・建物面積
  • 建物の構造・築年数
  • 間取り
  • 用途地域・建ぺい率・容積率
  • 接道状況
  • 設備の状況(電気・ガス・上下水道)
  • 権利形態(所有権・借地権)
  • 現況(空室・入居中など)
  • 告知事項(問題点がある場合)

作成時の3つの注意点

1. 良い面も悪い面もありのまま記載する

物件のマイナス面を隠して記載すると、後日トラブルになるリスクがあります。雨漏り、シロアリ、騒音問題などの問題点は正直に記載しましょう。

2. 裏付け資料をもとに正確に記載する

登記簿謄本や測量図、購入時の契約書類などを確認し、推測ではなく事実に基づいて記載することが重要です。

3. 不明な点は「調査中」と記載するか空白にする

確認が取れていない情報を推測で記載するのは避けましょう。不明な点は「調査中」と記載するか、空白にしておくのが適切です。

テンプレート・書式の入手方法

物件概要書には法定の書式がないため、自由な形式で作成できます。テンプレートを活用すると効率的に作成できます。

  • 不動産協会の書式:都道府県の宅建協会や全日本不動産協会のWebサイトで、物件概要書のテンプレート(Excel・Word形式)を公開しているケースがある
  • ビジネス書式サイト:bizocean等のビジネス書式サイトで無料テンプレートをダウンロード可能
  • 不動産会社への依頼:売却を依頼した不動産会社に作成してもらうのが最も確実

WordやExcelで一から作成する場合は、前述の「最低限記載すべき項目リスト」を参考にしてください。

物件概要書に関するよくある質問

物件概要書と重要事項説明書の違いは何ですか?

物件概要書は「物件に関する基本情報を簡潔にまとめた概要資料」であり、法的な義務はありません。一方、重要事項説明書は宅建業法第35条に基づき、売買契約の前に宅地建物取引士が買主に対して説明することが法律で義務付けられた書類です。重要事項説明書には、物件の法令制限や契約条件(手付金、違約金、契約解除の条件など)が詳細に記載されています。

物件概要書は法律で義務付けられていますか?

物件概要書の作成や交付は法律で義務付けられていません。物件概要書はあくまで任意の書類であり、作成しなくても法的な問題はありません。ただし、不動産取引の実務上は、ほとんどの不動産会社が物件概要書を作成して購入希望者に提供しています。

物件概要書はどこでもらえますか?

物件概要書は物件を取り扱っている不動産会社から入手できます。不動産ポータルサイト(SUUMO、HOME’S、アットホーム等)で気になる物件を見つけたら、掲載している不動産会社に問い合わせれば物件概要書を提供してもらえます。また、不動産投資物件の場合は、物件を紹介している投資会社や仲介業者から入手できます。

賃貸物件でも物件概要書はありますか?

賃貸物件でも物件概要書に相当する書類が存在します。賃貸の場合は「物件概要」「物件情報」などの名称で、所在地・交通アクセス・家賃・管理費・間取り・面積・構造・築年数・設備・契約期間・更新料・敷金・礼金・入居条件(ペット可否、楽器可否など)が記載されています。不動産ポータルサイトに掲載されている賃貸物件の情報ページが、実質的に物件概要書の役割を果たしています。

物件概要書に事実と異なる内容が書いてあった場合はどうなりますか?

物件概要書に虚偽の内容が記載されていた場合、売主は契約不適合責任を問われる可能性があります。2020年4月の民法改正により、買主には追完請求(不具合の修補を請求)、代金減額請求(購入価格の減額を請求)、損害賠償請求(虚偽記載により生じた損害の賠償を請求)、契約解除(契約の目的が達成できない場合)の権利が認められています。また、不動産会社が作成した物件概要書に重大な誤りがあった場合は、宅建業法上の業務停止処分や免許取消処分の対象になる可能性もあります。

まとめ

物件概要書は、不動産物件の基本情報を整理した書類で、物件探しから条件交渉、トラブル防止まで幅広く活用できます。

物件概要書を読む際は、以下のポイントを特に注意してチェックしましょう。

  • 接道状況:接道要件を満たしているか(再建築不可のリスク)
  • 建ぺい率・容積率:法令に違反していないか
  • 築年数と構造:新耐震基準に適合しているか
  • 告知事項:物件の問題点がきちんと記載されているか
  • 権利形態:借地権の場合は融資への影響

投資用物件の場合は、表面利回りだけでなく実質利回りを計算し、積算価格や収益価格との比較も行うことで、より正確な投資判断ができます。

物件概要書の見方に慣れることで、良い物件の見分けができるようになります。この記事を参考に、不動産取引をスムーズに進めてください。

※「資産活用おすすめナビ」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・https://www.rosenka.nta.go.jp/
・https://www.retpc.jp/chosa/reins/
・https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/02/2021-fudousan-anke-to.pdf

執筆者

資産活用おすすめナビ運営チームです。不動産の一括査定・売却・買取・媒介契約や、売却時の税金・手続きを担当する運営チームです。公的機関や各社の公式情報、運営チームの独自アンケート調査をもとに、はじめての売却でも損をしないための情報を、メリットだけでなく注意点もあわせて整理しています。

目次