マンション経営は、不動産投資の中でも安定した収益が期待できる方法です。しかしマンションを購入したり建築したりするためには、高額の初期費用が必要なのではと不安な方も多いと思います。
そこでこの記事では、マンション経営にかかる初期費用の内訳や、自己資金はどれだけあればよいのかを紹介します。
マンション経営は一度始めてしまうと簡単にはやめられず、長期でローンの支払いも続くため慎重に検討する必要があります。
ぜひ参考にしていただき、マンション経営を始められるかどうかの判断材料としてください。
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マンション経営にかかる初期費用とは

マンション経営を始めるためには、どのような項目で初期費用が必要になるのでしょうか。
購入するマンションの価格だけでなく、さまざまな手続きで7つの費用がかかります。ここではそれぞれについて詳しく解説していきます。
| 初期費用の内訳 | 費用の相場 |
|---|---|
| マンションの取得費 | 新築マンションで坪単価50万~120万円 仲介手数料で数十万~数百万円 中古マンションの改修で1戸当たり10万~240万円 |
| 不動産投資ローンの諸経費 | 事務手数料で3万円程度 保証料で融資額の2%程度 |
| 不動産取得税 | 固定資産税表額の4% |
| 印紙税 | 1,000~20万円 |
| 登記費用 | 所有者移転登記や所有権保全登記で固定資産税表額の0.4~2% 抵当権設定登記で借入額の0.4% 司法書士報酬で5万~10万円 |
| 各種保険料 | 火災保険だけなら10年で50万円程度 |
| 入居者を募集する費用 | 1戸当たり家賃の1~3ヶ月分 |
マンションの取得費用
マンション経営の初期費用の中でも、マンションの取得費用は最も高額になります。
1棟建てのマンションを購入するなら億単位になることも珍しくなく、現金一括よりローンでの支払いが一般的です。
都市部で人気の立地であったり、規模の大きなマンションであったりすれば、当然かかる費用は高額になっていきます。
マンションの取得費用は、新築と中古の場合で内訳も変わってきます。マンションの構造にまで注目して、購入する物件を選ぶことが重要です。
新築マンションを購入する場合
所有している土地に新築マンションを建てる場合には、構造別で坪単価は以下のようになっています。
| マンションの構造 | 坪単価 | 60坪のマンションの建築費用 |
|---|---|---|
| 鉄骨鉄筋コンクリート造 | 100万 ~120万円 | 6,000万 ~7,200万円 |
| 鉄筋コンクリート造 | 70万 ~100万円 | 4,200万 ~6,000万円 |
| 鉄骨造 | 50万 ~70万円 | 3,000万 ~4,200万円 |
坪単価が高い構造のマンションほど、耐火性や耐震性が高く寿命も長いです。8階以上の高層マンションでは、鉄骨鉄筋コンクリート造が採用されやすく高額になってしまいます。
別途で必要な費用として、車庫やフェンス、給排水や電気の設備に、建築費用の10%はかかると想定しておきましょう。
また土地を所有していない人は、不動産会社を利用して土地を購入しなければなりません。土地の購入費用だけでなく、不動産会社へ支払う仲介手数料も取得費として発生します。
仲介手数料は土地の購入費用で上限が決まっており、以下の式で計算できます。
仲介手数料=(土地の価格×3%+6万円)+消費税
例えば、土地が3,000万円の場合の仲介手数料は105万6,000円です。土地探しから始めて、鉄筋コンクリート造のマンションを建てる人は、規模を小さくしても取得費だけで5,000万円以上はかかるでしょう。
中古マンションを購入する場合
中古マンションで経営を始める場合には、物件を購入する際に不動産会社の仲介を利用することが一般的です。
土地の購入と同様に、中古マンションの購入費用に合わせて仲介手数料を支払います。地方の物件であれば、1棟でも1,000万円以下のものは見つかるため、仲介手数料も新築よりは抑えられるでしょう。
中古マンションは物件の価値を高めるために、改修費用も考慮してください。
入居者がいない状態の中古マンションでは、現状のまま入居者を募集しても空室は簡単に埋まりません。改修する場所ごとに、1部屋につき以下の費用がかかります。
| 改修場所 | 改修費用の相場 |
|---|---|
| 壁紙や床 | 20万~40万円 |
| トイレや洗面所 | 10万~20万円 |
| キッチン | 10万~30万円 |
| 浴室 | 50万~150万円 |
徹底的に全部屋で改修すると、それだけでマンションの取得費以上になる可能性があります。家賃を相場以上に上げることは難しいため、費用対効果が悪くならないよう注意が必要です。
不動産投資ローン諸費用
自己資金だけでマンション経営を始められる人は少なく、不動産投資ローンで融資を受けることが一般的です。ローンを組むためには、諸費用として事務手数料と保証料の2つを支払います。
事務手数料は、定額制と融資額による定率制の2種類があります。定額制なら相場は30,000円程度、定率制なら融資額の1~3%です。
数千万円の融資を受けるのなら、できるだけ定額制にしたほうが費用を抑えられます。
保証料は、保証人になってくれる保証会社へ支払う費用です。一括で支払うなら融資額の2%程度、金利に上乗せするなら年間で0.2~0.3%ですが、金融機関によっては保証料が無料のところもあります。
マンション経営のローンについて、詳細に知りたい人はこちらをご覧ください。

不動産取得税
不動産取得税とは、マンション経営のために土地や建物を購入したときに支払う税金です。各市区町村が算出する不動産の固定資産税評価額に対して、4%の税率がかかります。
固定資産税評価額は、購入したときの時価より低く70%程度が目安です。マンションを5,000万円で購入した場合、不動産取得税は140万円程度になります。
納税のために、マンションを取得した日から30~60日以内に税務署へ申告してください。6ヶ月~1年後に納税通知書が届くため、資金には余裕をもっておきましょう。
印紙税
印紙税は、特定の文書を作成するときに支払う税金です。マンション経営を始める場合は、購入するマンションの売買契約書やローンの契約書の作成で必要になります。
納税する額は契約金額ごとに決まっており、次のようになっています。
| 契約金額 | 印紙税 | 軽減税率の適用後 |
|---|---|---|
| 100万円超~500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
| 500万円超~1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
| 1,000万円超 ~5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
| 5,000万円超 ~1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
| 1億円超~5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
| 5億円超~10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
軽減税率はマンションの売買契約書に適用でき、特別な手続きは必要ありません。2021年4月の段階では、2022年3月31日まで有効です。
期間は延長される可能性があるため、購入するときに最新の税法を国税庁などで確認してください。
登記費用
登記費用とは、購入するマンションの権利を公示するためにかかる費用です。内訳の登録免許税と司法書士報酬について、それぞれ詳しく解説していきます。
登録免許税
登録免許税は、マンション経営を始めるまでに行う次の3つの手続きで納税します。
| 登記手続きの種類 | 手続きをする理由 | 登録免許税 |
|---|---|---|
| 所有権移転登記 | 購入するマンションを自身の名義にするため | 固定資産税評価額の2% |
| 所有権保全登記 | まだ所有者のいない新築マンションの登記をするため(ローンを組むために必須) | 固定資産税評価額の0.4% |
| 抵当権設定登記 | ローンで抵当権を設定するため | 借入額の0.4% |
固定資産税評価額で3,000万円の中古マンションを3,000万円のローンで購入した場合は、所有権移転登記と抵当権設置登記を合わせると72万円です。
登録免許税はかかりませんが、所有権保全登記のために建物表題登記というものが必要です。
新しくマンションを建てた場合は、まだ登記簿に存在が公示されていないため申請義務があり、完成から1ヶ月以内に申請しなければ10万円以下の額を徴収されます。
上記の登録免許税が必要になる3つの手続きの中で、所有権保全登記は任意です。自己資金だけで新築マンションを購入できる人なら、登録免許税の節税が可能です。
司法書士報酬
登記の手続きは、書類をそろえて法務局へ提出するだけです。しかし知識がない人が行うにはハードルが高いため、司法書士へ依頼するのが一般的です。
司法書士への報酬は5万~10万円が相場で、登録免許税とは別に支払います。どの司法書士事務所に依頼しても手続きの内容は変わらないため、報酬が安い司法書士事務所へ登記手続きを依頼しましょう。
各種保険料
マンション経営を安心して続けるためには、火災保険や地震保険に加入して災害に備えておかなければなりません。とくに火災保険はローンを組むときの必須事項になっているため、未加入のままとはいかないのです。
火災保険は長期で契約するほど安く、マンション1棟で10年加入すると50万円程度かかります。マンションの構造や戸数で前後するため、複数社で見積もりを取り補償内容を比較してください。
保険の注意点として、火災保険では地震による火災は補償の対象外になります。費用はさらにかかってしまいますが、地震保険にも加入しておくとより安心です。
入居者を募集する費用
マンション経営は、入居者がいないと経営が成り立ちません。新しくマンションを建てたり空室がある中古マンションを購入したりした人は、利用した不動産会社などへ入居者募集の依頼をすることになります。
費用は購入の仲介手数料とは別で支払い、相場は家賃の1~3ヶ月分です。10戸ある家賃70,000円の新築マンションで募集すると、70万円~210万円になります。
新築のマンションであれば、建設の段階から募集をかけて満室での経営スタートを目指しましょう。
信頼できる不動産投資会社の比較ポイント

各社の実績、運営体制、対応エリア、サービス内容などの公開情報を確認し、おすすめ候補の特徴を比較して紹介します。利用者アンケート・満足度は参考情報として掲載しています。
さらに、投資専門家に聞いた信頼できる投資会社の選び方や、投資額10億円の投資家インタビューも紹介しているので、ぜひご覧ください。
マンション経営の初期費用の目安とは

ここまでマンション経営に必要な初期費用の内訳を細かく見てきましたが、自己資金はいくらあれば問題ないのでしょうか。
ローンで融資を受けた額は、取得費の中で物件の購入や建築に関わる部分でしか使えず、その他の費用はその都度必要です。そこで、初期費用の中で自己資金の目安について紹介します。
初期費用を含む自己資金は物件価格の1~3割程度が目安
マンション経営の初期費用で、その都度必要になる額は物件価格の1割程度です。さらにローンを組むために頭金も用意すると、自己資金は物件価格の1~3割があればマンション経営を始められます。
融資を受けられる限度額は年収の8倍程度といわれているので、購入や建築するマンション価格の参考にしてください。
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マンション経営の初期費用を抑えたい場合

早くマンション経営を始めるためにも、初期費用を削り自己資金を少額にしたいところです。
しかしむやみに初期費用を削ると、後々のマンション経営に悪影響が出ます。そこで、リスクがある方法と堅実な方法について詳しく紹介していきます。
初期費用を削ることで生じるリスク
マンション経営の初期費用を削る方法の中には、将来の収入が減ったりリスクが増えたりするものが多数あります。
次の表にまとめた初期費用を削る方法は、専門家に相談してリスクを覚悟してから実行しましょう。
| 初期費用を削る方法 | マンション経営のリスク |
|---|---|
| フルローン・オーバーローンを利用 | 返済額が上昇し収益の悪化で滞納の可能性 |
| マンションのグレードを下げる | 賃料の低下と空室リスクの上昇 |
| 価格が安すぎるマンションを購入 | 高額な修繕が必要になる可能性 |
| 最低限の火災保険にだけ加入 | 地震や水害による修理費の負担増 |
初期費用を適切に抑える方法
リスクを回避しつつ初期費用を抑えるためには、何をしたらよいのでしょうか。紹介してきた費用の順に、次のような方法が可能です。
| 初期費用の種類 | 抑える方法 |
|---|---|
| マンションの取得費 | 建築費用は複数社で見積もり 直接売主と売買契約を結び仲介手数料の節約 不動産会社と仲介手数料の交渉 中古マンションのリフォームは最低限 補助金の申請 |
| 不動産投資ローン諸費用 | 手数料や金利の安い金融機関を利用 |
| 不動産取得税 | 分納ができないか税事務所で相談 |
| 登記費用 | 登記手続きを自身で行い司法書士報酬の節約 |
| 各種保険料 | 年払いや月払い |
補助金は耐震などの安全性に関わる改修がメインで、詳細は各市区町村で違います。社会貢献できる高齢者向けのマンションでも補助金がおりる可能性があるため、事前に確認しておいてください。
不動産取得税と各種保険料の方法だけは、初期費用は減らせてもトータルの支払いは減らない可能性があるため、注意が必要です。
不動産会社の仲介なしでマンションを購入する際には、押さえておくべきポイントがいくつもあります。検討している方にはこちらの記事もおすすめです。

マンション経営の維持費用もチェック

初期費用を支払ってマンション経営を始めても、家賃収入からローンを差し引いた額が全て残るわけではありません。
維持費用として、毎月かかるものと随時かかるものがいくつもあります。それらの費用を家賃収入でまかなえるようにしておかなければ、黒字の経営になりません。
ここでは維持費の内訳を詳しく解説していきます。
| 維持費用の内訳 | 維持費用の相場 |
|---|---|
| 共有部分の光熱費 | 毎月数千~数万円 |
| 各種保険料 | 火災保険だけで毎月5,000円程度 |
| 管理委託費用 | 毎月家賃の5% |
| 各種税金 (毎年) | 固定資産税は固定資産税表額の1.4% 都市計画税は固定資産税表額の0.3% 所得税は利益の5~45% 住民税は利益の10%と均等割合で数千円 |
| 修繕費 | 1戸当たり毎月5,000~1万円 |
| 仲介料・広告料 | 仲介料はその都度家賃の50%程度 広告料はその都度家賃の1~3ヶ月分 |
毎月かかる維持費用
毎月かかる維持費用は、入居者の有無にかかわらずオーナーが負担しなければならないものです。一つ一つは少額でも利回りに大きく影響するため、きちんと把握しておきましょう。
共用部分の光熱費
マンションの各部屋の光熱費は入居者が支払いますが、共有部分であるエントランスや廊下の照明などの光熱費はオーナーが負担します。マンションの規模が大きいほど高額で、相場は数千~数万円です。
家賃に共益費などの項目で上乗せはできるため、実際に負担するのは不足した場合だけです。
あらかじめかかる費用を計算しておけば、よほど空室が増えない限りは自身で支払うことはないでしょう。
各種保険料
初期費用として支払う保険料は、マンション経営を続ける限り更新のたびに支払うことになります。割引率が高くなる10年などの長期契約が一般的で、毎月支払うことはまれです。
10年での火災保険の相場が50万円程度のため、割引が2割程度されていると仮定した場合は、毎月払いなら約5,000円になります。
追加で地震保険や設備に対する保険もかけると、その分だけ負担は増えていきます。
管理委託費用
副業としてマンション経営を検討している人にとって、管理を全て自身で行うことは負担が重いです。
日常的な清掃や家賃回収、クレーム対応など、夜間に呼び出される可能性もあり、そうなると本業に支障が出る可能性も否めません。
そこで必要になるのが管理委託費用です。費用を支払うことで、専門の会社が管理に関わる業務を行ってくれます。相場は家賃の5%となっており、管理費などとして入居者に負担してもらえます。
管理の業務内容は会社ごとに違いがあるため、かかる費用の安さだけで選ばないようにしましょう。
各種税金
マンションを経営していると、毎年固定資産税・都市計画税・所得税・住民税の支払いを求められます。算出方法はそれぞれ以下の通りです。
| 税金の種類 | 算出方法 |
|---|---|
| 固定資産税 | 固定資産税評価額の1.4% |
| 都市計画税 | 固定資産税評価額の0.3% |
| 所得税 | マンション経営の利益の5~45%(利益が多いほど税率はアップ) |
| 住民税 | 均等割額と所得割額 |
固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に課税されるため、実際の支払いはマンションを購入した翌年です。税率は標準で1.4%となっており、市区町村によって前後する場合があります。
都市計画税は、マンションが都市計画区域内にある場合にだけ、毎年1月1日時点の所有者に課税されます。税率は0.3%が限度で、こちらも市区町村によって変動します。
所得税はマンション経営で利益があるときに、確定申告で納税します。利益は以下の式で求められ、経費の計上漏れをなくすほど利益は少なく見積もることが可能です。
利益=家賃収入ー経費(維持費用やローンの返済額)
住民税の均等割合は、市区町村の納税者が一律に支払う額です。所得割額はマンション経営の利益で増減し、税率は10%となっています。
マンション経営の節税方法や、アパート経営の経費ついて、詳しく知りたい人にはこちらの記事もおすすめです。


随時かかる維持費用
マンションを長期で経営していると、経年劣化した建物の修繕や空室を埋めるための募集で、費用が随時発生します。前もって準備しておくためにも、それぞれの相場を紹介していきます。
修繕費
修繕費は日々の管理費とは別に必要な費用で、経年劣化したマンションの大規模修繕や退去者が現れたときに、原状回復などで使います。
修繕積立金として家賃と一緒に回収し、必要になるときまで貯めておきます。回収する目安は1戸で毎月5,000~10,000円です。
中古マンションを購入する際は、修繕積立金の不足がないか確認してください。不足して大規模修繕が行えないと、マンションの寿命は短くなり新たな入居者の募集も難しくなります。
仲介手数料または広告料
マンション経営をしていて、新たに入居者の募集が必要なときにかかる費用が仲介手数料か広告料です。仲介手数料は、不動産会社から入居者を紹介してもらったときに支払います。
相場は家賃の50%程度で、入居者から徴収したものを充てることになります。
広告料は入居者募集のために、不動産のポータルサイトへの登録や折込みチラシなどを行うための費用です。初期費用でかけた分と同様に、家賃の1~3ヶ月分を支払います。
まとめ

ローンを組んでマンション経営を始める場合は、必要な初期費用は自己資金で物件価格の1~3割程度です。
地方の中古マンションであれば1,000万円以下で見つかることもあり、平均的な年収の人でも十分に手が出る投資方法です。
しかしマンション経営は、初期費用を確保しても安心できません。かかる維持費も考慮して返済計画を立てないと、初期費用さえ回収できずに経営は破綻してしまいます。
具体的な数字で専門家に相談して、リスクの少ない計画を立てることが大切です。
※「資産活用おすすめナビ」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。

